NHK技研OB福島邦彦さんがフランクリン財団よりバウワー賞(科学部門)受賞

NHK技研OB福島邦彦さんがフランクリン財団よりバウワー賞(科学部門)受賞

現代の人工知能技術基盤である深層学習(ディープラーニング)の基本構造の一つ「ネオコグニトロン」を世界に先駆けて考案

**福島邦彦氏、米国のバウワー賞を受賞 ― AI技術の基礎を築いた功績が評価**

元技研・研究員の福島邦彦氏が、4月29日に米国のフランクリン財団から「The Bower Award and Prize for Achievement in Science」(バウワー賞:科学部門)を受賞しました。この賞は、ノーベル賞受賞者を含む著名な研究者が名を連ね、世界の学術賞の中でも最も権威の高いものとして知られています。

福島氏は、1979年にNHK技研(当時は放送科学基礎研究所)で、パターン認識モデル「ネオコグニトロン」を開発しました。この成果は、現代のAI(人工知能)技術の基盤となるディープニューラルネットワークの基本構造を生み出したことで高く評価されました。

ネオコグニトロンの開発当時、福島氏自身はAIが現在のように多岐にわたる分野で活用されることを予想していませんでした。当時のAIは、伝統的なIF/THENルールベースの処理に依存しており、福島氏は脳の神経回路のモデルを理解するためにネオコグニトロンを開発しました。

ネオコグニトロンの開発を通じて、福島氏は脳の神経回路の動作原理に関する深い洞察を得ることができました。その過程で、ディープニューラルネットワークの基本的な構造を提案し、AI技術の進化に大きく貢献しました。

福島氏は謙虚に述べていますが、彼の研究は現代のAI技術の発展において重要な役割を果たしました。現在の機械学習や深層学習の手法の基礎となっており、AIの発展に欠かせない存在となっています。

福島氏のバウワー賞受賞は、その功績と影響力を讃えるものです。学術界やAI研究者たちにと

って大きな誇りを与えています。福島氏の受賞を機に、彼にネオコグニトロンやAIの今後についてインタビューを行いました。

「受賞おめでとうございます。ネオコグニトロンを考案された当時、今日のようにAIが幅広い分野で活用されることを想像されていましたか?」と質問しました。

福島氏は謙虚に答えました。「全く想像していませんでした。当時、AIとネオコグニトロンは全くの別分野のものでした。当時のAIは、いわゆるIF/THENルールベースで処理するものでした。私は脳の神経回路のモデルをコンピュータ上で動かして、実際の脳の中で起こっていることを知りたいと思ってネオコグニトロンを開発していました」と述べました。

福島氏の独自の視点と研究熱は、ネオコグニトロンの開発に結実しました。

その成果は、現代のAI技術の基礎を築き、パターン認識や情報処理の分野で革新的な進歩をもたらしました。

福島氏の受賞は、彼の功績を讃えるものですが、彼自身は謙虚な姿勢を持ちながらも、AI技術の進化に寄与したことを認識しています。

彼の研究は、現代のAIの発展に不可欠な一部であり、世界中の研究者や学術界に大きな影響を与えました。

福島氏の受賞は、AI技術の未来に対する洞察力と革新的なアプローチへの称賛です。

彼の研究成果は今日でも重要であり、AIの進化を牽引しています。我々は彼の受賞を祝福し、彼のさらなる成果とAIの未来に期待を寄せることができます。

現在、(一財)ファジィシステム研究所 特別研究員

NHK HPより

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